「はったい粉」と「むかご」って知ってますか?
「はったい粉」は麦を焙煎して粉にしたもの。
「むかご」は山芋の葉の付け根にできる芽。小指の爪先くらいの大きさで、小人が食べるジャガイモみたいな形状です。
恥ずかしながら、50歳を超えたボクも、食べたことがありませんでした。
もっと昔の世代の「懐かし食品」です。
どちらもそれぞれたった1人のお客様のオーダー商品です。
正直、ボクはどちらもそんなに美味しいとは思えず、買ってまで食べたいとは思いません。
でも、オーダーして下さるお母さんたちには、その商品には「思い出」があり、「思い出」と一緒に食べるから、美味しいんでしょうね。
「むかご」のお母さんは島根出身。秋になると、むかごを摘んでは、「むかごごはん」を作っていたと。
それで、涼しくなるとその頃の楽しかった事を思い出すのでしょう。
毎年、身近な方にむかごをプレゼントされています。
「はったい粉」のお母さんは、何にでも喜んでくださる方。小さいころからおやつとして、はったい粉と水を練ったものを食べていたそうで、自分が子供のころの親や兄弟のこと、田舎のことを思い出すのでしょう。
「思い出」は、最高の調味料!
「懐かし食品」は、その方だけの最高の御馳走!
たった一人のオーダーでもムゲにすることはできません。
今までにも、高齢者施設での販売先で、レトロ菓子を見て、涙を流して喜んでいるお母さんを見たこともあります。
あと30年すれば、ボクも立派な高齢者!
そのとき、何を食べて「懐かし~!」と涙するのかなあ?
そう考えると、今当たり前のようにして食べている、妻の茶碗蒸しや 母の漬物 が貴重品に思えてきたゾ!