先日、面白い「高齢者あるある」がありました。
ご高齢の方の中には、悪気のない、かわいい「ミニモンスター」ぶりを発揮する方もいらっしゃいます。
丸王さん(仮名)から、お電話がありました。
丸王さんは耳が遠くて、インタホンも聞こえず、自宅前に停まったら、窓ガラスをコンコンとノックします。
いや、正確にはバンバンと激しく叩きます。
それでも、テレビの大音量にかき消され、聞こえず、やむなく退散する時もあります。
その、丸王さんからお電話です。
丸王さん「もしもし」
妻 「あ!丸王さんですね!」
丸王さん「もしもし、聞こえますか?」
妻 「聞こえますよ」
丸王さん「もしもし、聞こえますか?」
妻 「聞こえてますよ-っ!」
丸王さん「アカンわ、出はれへん」
妻 「丸王さ~ん!! 聞こえてますよ!何ですか?」
丸王さん「もしもし、聞こえますか?」
妻 「丸王さ~ん!! 聞こえてますよ!何ですか?」
丸王さん「もしもし、聞こえますか?」
妻 「聞こえてますよ~!」
横で聞いていた、僕は腹を抱えて笑いました。
耳の遠いお客様の中には、聞こえないから、一方的に要件だけ言って切ってしまう方もいらっしゃいますが、丸王さんは聞こえている確証がないと用件を切り出さないタイプのようです。
やっとこさ、「サトウのごはん」か、「おかゆ」のようなものが欲しいようだというところまで、聞き出しました。
妻は大声を出したので、声が枯れ、ヘトヘト・・・・。
僕は笑いすぎて腹が痛い・・・・。
もちろん、その夜、丸王さんのご自宅に行き、ご要望を正確にお聞きしまして、次回にお届けする約束をしました。
僕も耳が悪いです。
両耳の骨を人工骨に変える手術をしています。右は良くなりましたが、左はあんまり聞こえません。
だから、耳の不自由な高齢者の気持ちはよく分かります。
「は?」と聞き返すのも、2回以上になると、嫌がられるんで、つらいんです。
聞こえてないのに「聞こえたふり」をするんです。
会話がかみ合わなくて、ホントは、ちょっと寂しいんです。
お客様のご要望を正確に理解しても半人前。
ご要望を、「理解してもらった」とお客様に伝わって一人前。
だから、ご高齢のお客様、特に耳の遠い方には、相づちや復唱、オーバーすぎるアクションが必要になります。
後日談:
お電話の商品をお届けすると・・・、
丸王さん「そんなん、頼んでない。」
僕 「ええ-っ! 電話して、頼んでくれましたやん!」
ここで、お嫁さん登場
お嫁さん「おばあちゃん、よーく思いだしてみ。」「思い出したか?」
丸王さん「うん、思い出した」
という、あんばいでした。
やれやれ・・・。